(epub, azw3, pdf)
2010年5月28日にAppleの「iPad」が発売されて以来、テレビや新聞、雑誌で「電子書籍」という文字を見ない日がありません。電子書籍ビジネスに参入しているAmazonや参入予定のGoogle、北米で電子書籍端末「リーダー」を販売しているソニーの動向なども話題になっています。
実際にiPadに触れた編集者の中では「もう雑誌はこれでいいじゃない」という声も出始めているようです。出版物・出版市場も大きく変化することになり、紙の出版物は今や文章や写真を世に送り出す独占的な媒体ではなくなっているのです。
そうなると、出版社もいらなくなるのではないだろうか、少なくとも今のスタイルは維持できなくなるのではないか、という疑問も生じます。一部の作者や評論家は「出版社などいらない」とも言い始めています。
このような状況の中、紙の出版物の利益を守ることは、単なる既得権益の防衛であり、進歩や変化を拒否する悪しき抵抗勢力と評されることなのでしょうか。一方で、単に「出版文化」を守るという掛け声だけで、既存の秩序すべてを守ることが妥当でしょうか。
いずれにしても、「出版」の世界は何らかの変化を迫られているわけですが、それはどのような変化なのでしょうか。
本書は、電子書籍による出版界の変化を、できる限り整理して、将来への課題を明らかにすることを目的としています。「新しい」電子書籍の世界において、「古い」出版社は退場すべきだ、という主張は、肯定できる部分もありますが、もう少し冷静な議論が必要です。
本書では今出版界に起きている変化を踏まえた上で、できるだけ具体的な議論を展開します。
内容(「BOOK」データベースより)
アップルの「アイパッド(iPad)」が発売されて以来、テレビや新聞、雑誌で「電子書籍」という文字を見ない日がありません。出版物・出版市場が大きく変化することになり、紙の出版物は今や文章や写真を世に送り出す独占的な媒体ではなくなっているのです。出版界は何らかの変化を迫られているわけですが、それはどのような変化なのでしょうか。本書は、電子書籍による出版界の変化をできる限り整理して、将来への課題を明らかにします。